PEST分析とは?マクロ環境を分析して戦略を立てよう!!

 

こんにちは。 SunnyBizコンサル です。

今回は市場分析のひとつである、PEST分析について掘り下げていきます。

 

PEST分析は、アメリカの経営学者、フィリップ・コトラーが、世の中の動向を分析する手法として提唱したものです。

 

コトラーは、「調査をせずに市場参入を試みるのは、目が見えないのに市場参入するようなもの」と、市場分析の重要性について述べました。

参考//フィリップ・コトラー(Wikipedia)

 

これから掘り下げるPEST分析は、外部環境の中にあるマクロ環境を分析するものです。

マクロ環境が自社にどのような影響を与えるのかを把握するため、このPEST分析を使います。

マクロ環境が与える影響を分析し、今後のマーケティング戦略に活かしましょう。

ビジネスドクター
外部環境にはマクロ環境とミクロ環境があります。マクロ環境は、企業がコントロールできない社会全体の環境を言います。ミクロ環境は、ある程度統制可能な環境であり、消費者の動向や競合他社などを言います。

マーケティング戦略 外部環境におけるマクロとミクロの視点

PEST分析とは?マクロ環境を分析して戦略を立てよう!

PEST分析とは

PEST分析とは、4つの切り口で外部環境を分析していく手法です。

外部環境にはマクロ環境とミクロ環境があり、このPEST分析は、自然や社会の変化など、企業がコントロールできないマクロ環境の分析を行うものです。

マクロ環境が自社にどのような影響を与えるかを分析し、自社が長期的に社会に適合できるかどうか、先々を見据えて戦略を立てます。

PEST分析を行う目的

PEST分析を行う目的は、大きく分けて2つあります。

1.ビジネスチャンスを発見するため

2.リスク要因を発見するため 

外部環境の変化によって、自社がどのような影響を受けてどういう状況になりうるか、プラス面とマイナス面を分析します。

市場の変化を先読みし、自社にとってのチャンスやリスクとなる情報を見つけ出しましょう。

4つの要因(PESTとは)

  • Politics:政治・法律的環境要因
  • Economy:経済的環境要因
  • Society:社会的環境要因
  • Technology:技術的環境要因

これら4つの頭文字をとって、PEST分析と言います。

以下、具体的に見ていきます。

Politics:政治・法律的環境要因

政治・法律的環境要因とは

  • 法律・法改正
  • 規制強化・規制緩和
  • 税制
  • 政権・政治動向
  • 裁判制度   など

社会のルール自体が変化するようなものをいいます。

 

例えば、先々の動向でいうと、2023年に導入される「インボイス制度」が挙げられます。

免税事業者や、免税事業者と取引がある場合には影響が大きいため、この制度導入が自社にどう影響するか、しっかりと分析しておくべきです。

Economy:経済的環境要因

経済的環境要因とは、

  • 株価
  • 金利・為替
  • 景気動向
  • 物価
  • 経済成長率   など

景気や経済動向を受けて、価値・価格に影響を与えるものをいいます。

 

今、コロナウイルスによって世界経済は大きく乱れています。

株価の変動は激しく、景気の動向や消費行動も予測困難な状況になっています。

長く続くと、経済活動が低迷することによる原材料の高騰や、納品遅れなどから、商品価格や価値が下がる(もしくは上がる)ことが想定されます。

売上や利益に影響を及ぼすため、経済動向を見極め、通常とは異なる視点から投資のタイミングを検討したり、別ルートによる取引先の確保を行うなど、リスクヘッジをする必要があるでしょう。

Society:社会的環境要因

社会的環境要因とは、

  • 国内外の人口動向・人口構成
  • 老齢人口・少子化
  • 公害・自然環境
  • 社会構造・ライフスタイル
  • 流行・世論   など

需要と供給に変化をもたらすような要因をいいます。

 

今の日本は少子化が進み、高齢化社会となっています。

高齢化が進んでいることから、今は多くの高齢者向け施設が必要です。

しかし、ひとつ世代が過ぎると今度はその施設が大量に余る可能性があります。

先々の人口の推移や構成、次世代のライフスタイルなどを考え、どこに参入するべきか、チャンス要因とリスク要因を抽出し、検討することが重要です。

Technology:技術的環境要因

技術的環境要因とは、

  • 新技術の発展
  • 技術開発
  • 特許の期限
  • IT革新   など

商品開発や、最新技術の開発など、市場形態を変化させるような要因をいいます。

 

例えば、今はインターネットの発達により、自宅に居ながら個人が企業と取引を行える時代です。

店舗に卸す売り方よりも直接取引をする方がコスト削減、ファン獲得になるなど、市場の取引関係にも変化が生まれています。

今後、さらなる技術革新で、今まで当たり前だった取引が通用しなくなることも想定されます。

技術革新により変わると想定されるもの、もしくは、技術革新があったとしても絶対的に変わらないものなどを洗い出すことにより、リスクにもチャンスにも対応できるようになります。

PEST分析の具体的なやり方

仮説を立てる

PEST分析を始める際には、まず、仮説を立てましょう。

4つの要因に関する情報は、やみくもに挙げだすとキリがありません。

ムダに多くの情報を集めすぎると、目的を見失うことがあります。

集めた情報に溺れることがないよう、業界目線なのか、商品目線なのか、または新たに挑戦する領域についてなのか…など、集めるべき情報を目的に合わせて絞ります。

例えば、AIの発展により5年後10年後はこうなるであろう…という仮説を立て、実際に自社に与える影響はどうなのか?と、情報を集め始めるようなやり方です。

情報収集

仮説を立てたら、そこに影響することを4つの要因ごとに思いつく限り挙げていきます。

集める情報は、信用のできる公的機関、または専門家が作成したデータやレポート、統計や推移など、きちんとした情報があるとより良いです。

世の中に新しく出た商品に付随するものや、その商品が生まれたことにより発展するであろう世の中の変動を織り込めると、チャンス、リスクへの対応ができます。

(例)パソコンが普及した時にインターネット業界に参入したGoogleやAmazonなどは、いち早く市場の動向を見極め、スタートを切ったため、今や大企業として発展しています。

過去からの情報も参考にしつつ、今後起こりうる変化や動きについての情報を可能な限り漏れなく集めます。

情報整理

集めた情報を整理します。

その情報の根拠や信ぴょう性、起こりうる可能性などを精査し、その情報が自社に与える影響力を分析します。

自社にとってのチャンス・リスクを分析するうえで必要な情報なのかどうか、一度整理します。

そして、不足している情報があれば、さらに情報を収集します。

相互関係等の確認

4つの要因について、単体ではなく、繋がりの観点から確認します。

相互関係や、依存関係がないか、1つの要因が起こった際に他の要因と結びついて大きなプラス、もしくはマイナスを生み出す可能性について確認します。

他の要因との結びつきにより、大きなリスクが生まれる見込みであれば、事前にリスク対策を織り込んだり、参入する市場の見直しを検討します。

逆に、他の要因と結びついて大きな成果が見込める場合には、開発を急ぎ、そこに資金を集中投下するのも良いでしょう。

SWOT分析との関係

ここで分析した内容は、SWOT分析の中の、O(0pportunity:機会)と、T(Threat:脅威)に当てはめることができます。

外部環境をPEST分析でしっかりと抽出し、それをSWOT分析に当てはめることで、将来へ向けた具体的な対策案を立てることに繋がります。

SWOT分析とは?【やり方徹底解説】分析方法を知って自社を知ろう!

まとめ

外部環境は、企業努力では変えることが困難な領域です。

ただ、自社に与える影響を想定しているか否かによって、実際に変化が生じた際の受け止め方は変わってきます。

ビジネスチャンスを想定することにより、大きな成長の波に乗る事ができるかもしれません。

逆に、リスクを想定することで市場の変化にいち早く気付き、その対策を講じることもできます。

企業が社会と共存し繁栄していくためにも、中長期的な仮説を立てながら、環境の変化に対応する戦略を立てていきましょう。



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Sunny
新しい『笑顔』に出会うため、ブログを開設しました。 主に会計・マーケティング・経営に関する内容を『誰にでも分かりやすく』を心掛けて投稿しています。少しでも参考になれば幸いです。よろしくお願いします。