STP分析とは? STP分析の全体像を解説します【3分読解】

 

こんにちは、 SunnyBizコンサル です。

 

今回は、販売戦略を立てる際に活用するフレームワークとして、STP分析について解説します。

この分析ツールは奥深いものであり、SとTとPをそれぞれにしっかりと確認する必要があります。

STP分析を戦略的に活用するためには、まずはこの分析の目的と全体像を掴みましょう!!

 

この記事では、

STP分析とは?という概要に触れ、

何のために分析を行うのかその目的についてまとめます。

最後に、実際にSTP分析に取り掛かるうえで参考となる指標について触れます。

3分でSTP分析の全体像をつかみましょう!!

ビジネスドクター
マーケティングには、①環境分析⇒②戦略立案⇒③施策立案という流れがあります。STP分析は、その中の②戦略立案に位置しています。

STP分析とは?

STP分析とは

STP分析とは、市場を細分化して考えた際、市場のどこをターゲットにできるかを選び、そこでの自社の立ち位置を明確にするための分析です。

市場において誰に何を届けるか、自社の商品やサービスを展開させる際に、できる限り対象を絞って効率的にアプローチができるよう分析を行います。

 

STP分析は、アメリカの経営学者フィリップ・コトラーが提唱した有名なフレームワークです。

参考//フィリップ・コトラー(Wikipedia)

これは販売戦略を立てるときに使われる分析手法であり、顧客(ユーザー)目線で行うことがポイントになります。

STPの3つの要素

STPの要素は、以下の3つです。

  • Segmentation(セグメンテーション):市場の細分化
  • Targeting(ターゲティング):標的となる顧客
  • Positioning(ポジショニング):自社商品・サービスの立ち位置

それぞれの頭文字をとって、STP分析といいます。

 

Segmentation(セグメンテーション):市場の細分化

セグメンテーションとは、「分割する」という意味があります。

マーケティングにおいては、市場を細分化するということを意味します。

市場を細かく性質ごとに分割し、その性質にあった商品・サービスを提供するための自社の活動領域を定めるため、セグメンテーションを行います。

 

今の時代、顧客のニーズは多様化しており、すべての顧客を対象に販売戦略を立てることは、効率的ではありません。

それぞれの性質ごとに分割し、そこにフォーカスを当てて戦略を立てていくことで無駄がはぶけるため、セグメンテーションは重要な手順です。

セグメンテーションとは? STP分析のやり方①

Targeting(ターゲティング):標的となる顧客

ターゲティングとは、その言葉どおりターゲットを決めるということです。

セグメンテーションを行い市場を分割したあと、その中から自社が勝てる可能性が高い特定の市場を選びます。

自社の商品やサービスを必要としてくれるターゲットがどこにいるか、既存顧客だけでなく見込み客も見据えて標的となる市場を選びます。

ターゲティングとは? STP分析のやり方②

Positioning(ポジショニング):自社商品・サービスの立ち位置

ポジショニングとは、市場での自社の立ち位置を明確にすることをいいます。

これは、競合他社との比較や業界での位置づけではなく、顧客の中でどういう風に認識されるかという、顧客の中での自社の位置づけです。

「〇〇といえば△△!」というような、顧客がイメージの中で自社を選んでくれる立ち位置を明確に決定します。

ポジショニングを行うことは、競合他社との競争が激しいほど重要になります。

顧客の中に、この商品・サービスはここのものを選ぶという認識が定着していれば、そもそも競争が起こることなく勝てる領域ができることになります。

市場での立ち位置を有利にするため、ポジショニングを考え決定することは、大変重要な手順です。

ポジショニングとは?STP分析のやり方③

STP分析を行う目的

ここでは、STP分析を行うことで企業にどう有益であるかを明確にするため、分析する目的を解説します。

分析をおこなう際には、以下の目的を持って取り組みましょう。

目的①:市場を整理するため

市場は広く、深く、見えにくいものです。

まずは、その市場が何で構成されているかを整理するという目的を持ちましょう。

それがSであるセグメンテーションに繋がります。

  • 年齢・性別
  • 地域・気候
  • ライフスタイル・職業
  • 使用・購買の頻度 など

これらの視点で顧客の属性を整理することで、市場がどのように構成されているかを確認することができます。

自社の業界や活動のなかでどのように市場の属性を分けることができるか、漏れなくダブりなく分解し、整理しましょう。

目的②:顧客のニーズに気付くため

具体的な顧客の姿を捉えることが出来れば、その顧客が何を求めているかに気付くことができます。

ターゲティングで触れたように、自社が勝てる可能性が高い市場を選ぶうえでは、その市場にいる顧客のがどんなニーズを持っているかを知る必要があります。

ターゲットをしっかり定めることで、顧客のニーズに気付くことができ、的確な商品・サービスを提供することができるようになります。

目的③:効率を考えた戦略を立てるため

企業が絶えず活動を続けていくためには、なるべく無駄なものをはぶき、コストを抑え、確実に利益を上げていく必要があります。

やみくもに、企業が売りたいものを売りたいタイミングで市場に出しては、余計なコストだけでなく大きなリスクを負いかねません。

どのような顧客へ商品・サービスを提供するか、広告を打つ対象やアピールすべき対象を絞ることで、本当に必要と求められるものを最適なタイミングで市場へ出すことができます。

STP分析は、3つの要因を確認し、検討することで、効率を考えた戦略を立てることを可能とします。

目的④:実行戦略へのバトン

自社の商品・サービスが他社に比べてきちんと差別化されているか、利益を生み出す確実性があるかを3つの要素で分析したら、次はそれを実行へ移すための戦略を立てる必要があります。

STP分析を行うことは、実行へ向けた施策を立案する、いわゆる「実行戦略」へのバトンとなります。


S・T・Pの分析指標

Sを行うための指標

S=セグメンテーションを行うには、似たようなニーズを持つ顧客層に分けて市場を細分化する必要があります。その際には、以下の指標を使うことが有効的です。

  • 地理的変数

国・地域、人口、気候、宗教、文化など

  • 人口統計的変数

年齢、性別、職業、所得、学歴、家族構成など

  • 心理的変数

価値観、趣味、嗜好、ライフスタイルなど

  • 行動変数

購買の頻度、パターン、反応など

これらの指標ごとに、市場のニーズを把握し、市場を細分化するといいでしょう。

Tを行うための指標

T=ターゲティングを行う際には、6Rという指標を使うと有効です。

  1. 十分な市場規模があるか
  2. 市場の成長性があるか
  3. 波及の可能性
  4. 目的への到達可能性
  5. 競合状況
  6. 反応の測定可能性

以上の6つが6Rといわれるものです。

その他にも環境的な要因や、自社の持つ経営資源の強みも指標にするといいでしょう。

自社の商品・サービスをこれらと検証することで、狙うべき市場か否か判断することができるでしょう。

Pを行うための指標

P=ポジショニングを検討する際には、ポジショニングマップというものを使います。

顧客が商品の購入する際に重要視する要因を縦軸と横軸で組み、それらをもとに差別化できる自社のポジションを探します。

これは、市場の穴場を探すものであり、競争優位な立ち位置をとるために行います。

まとめ

STP分析は、市場に求められるものを、的確に効果的に届けるためとても重要な分析手法です。

STP分析は重要度が高いため、しっかりと理解を深めて取り組む必要があります。

まずは概要として大きく全体を捉え、どのような目的でどういう風に見当をつけて行うものであるのか、しっかりと理解しましょう。



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Sunny
新しい『笑顔』に出会うため、ブログを開設しました。 主に会計・マーケティング・経営に関する内容を『誰にでも分かりやすく』を心掛けて投稿しています。少しでも参考になれば幸いです。よろしくお願いします。