ターゲティングとは? STP分析のやり方②

 

こんにちは、SunnyBizコンサル です。

 

今回は、STP分析の中の T=ターゲティングについて掘り下げて解説します。

ターゲティングとは、セグメンテーションにより細分化したグループの中からターゲットを選定する活動を言います。

STP分析を行う手順は、英語の並び通りS(セグメンテーション)⇒T(ターゲティング)⇒P(ポジショニング)です。

セグメンテーションが終わったら、次の手順としてターゲティングを行いましょう。

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STP分析とは? STP分析の全体像を解説します【3分読解】

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セグメンテーションとは? STP分析のやり方①

ターゲティングを理解するためには、その目的と必要性についてしっかりと把握する必要があります。

 

そこで、この記事ではまず

ターゲティングの概念とその目的について詳細に解説します。

次にターゲティングの必要性について触れ、なぜ重要なのか、理解を深めます。

続いて、実際にターゲティングを行う際に確認すべき指標を説明します。

 

この記事を読むことで、ターゲティングの概念と重要性が分かります。

また、どのように進めて行くかその手順が見えてきます。

ビジネスドクター
ターゲティングは、事業活動を行ううえで顧客獲得・顧客拡大のための重要な手順です。しっかりと理解していきましょう。

ターゲティングとは?

ターゲティングの概念(Targeting)

ターゲティングとは、その言葉どおりターゲットを決めるということです。

セグメンテーションを行い市場を分割したあとは、その中から自社が勝てる可能性が高い特定の市場を選ぶ必要があります。

自社の商品やサービスを必要としてくれるターゲットがどこにいるか、既存顧客だけでなく見込み客も見据えて標的となる市場を選びましょう。

「どこの市場で、どんな顧客に買ってもらうか?」ということを見極め、顧客を選定していく手順がターゲティングです。

ターゲティングの目的

ターゲティングの目的は以下の4つです。

  1. 新規顧客を獲得する
  2. 既存顧客を囲い込む
  3. 市場ニーズを引き出す
  4. 費用対効果を高める

 

新規顧客を獲得する

ターゲティングがしっかりと出来れば、そこのニーズに合った商品・サービスを打ち出すことができるため、新規顧客の獲得に繋がります。

また、今までくすぶっていた商品であったとしても、ターゲットを絞ることで一気に新規顧客が増え、市場が開けることがあります。

 

トマトジュースを例にして考えてみます。

トマトジュースは、リコピン・カリウム・ビタミンが多く含まれており、血圧が高い人にとって効果的な飲み物のひとつと言われています。

販売する飲料メーカーがターゲットを定めず、他の飲料と同じ並びで販売すると、トマトジュースは他の商品に紛れてしまうでしょう。

そこで、ターゲットを健康志向の人・血圧を気にしている人に絞って、ドラッグストアや健康飲料のコーナーに置いてみます。

すると、数ある飲料の中のひとつだったものが、健康的な飲料の中のひとつに範囲が絞られるため、ターゲットが手に取りやすくなります。

今まで飲んだことが無い人でも、自分に当てはまる条件が目につくと「ちょっと血圧高いから…飲んでみようかな?」と手に取るようになります。

 

実際にターゲットを意識した『血圧が高い人へ』・『濃いトマトジュース』・『リコピンたっぷり』といったような特定の対象を刺激するようなポップは、大変効果的です。

新規顧客を効率よく取り込むために、ターゲティングは重要です。

既存顧客を囲い込む

顧客が、既にその市場で自社の商品や同業他社の商品に出会っている場合、その既存顧客をよりコアなターゲットとして狙いうちすることも重要です。

既にその商品の事を知っている顧客に、さらに自社商品の良さをアピールすることができれば、自社を選ぶ顧客(他社からの乗り換え)に繋げることができます。

それは自社の立ち位置を優位にすることになるため、結果、顧客の増加・囲い込みができ、客単価があがります。売上の増加にも繋がります。

ニーズを引き出す

顧客を自社の商品・サービスへ流すためには、その顧客たちが何を求めているかの調査研究が必要です。

それはとても大変なことに思えますが、ターゲットが明確に見えている場合には、そこだけに絞ってリサーチが出来るため、必要な情報を得やすいです。

現状の市場ニーズを引き出すためや、問題点を知るためにアンケートをとったり、満足度を確認するリサーチをすることで、ニーズを引き出すことが可能となります。

費用対効果を高める

宣伝広告活動を行う際、市場全体に向けて活動する場合とターゲットを絞った場合とでは、投資する費用の額が大きく異なります。

万人ウケする広告を打ったとしても、それを受け止める人が少なければ無駄な広告費をかけていることになります。

セグメントの特性に応じてターゲットを絞り広告を打つことにより、認知された時の反応や購買への行動もスムーズにいきます。

 

顧客に合わせた広告を発信し、興味をそそるようなアプローチをすることで、効果的な宣伝活動が行え、売上に直結する営業活動が行えることになります。

ターゲティングの必要性

ターゲティングの必要性は以下3つです。

  1. ターゲットに合わせた戦略を立てるため
  2. ブランド価値を生み出すため
  3. 戦略の効果を実感するため

ターゲットに合わせた戦略を立てるため

ターゲットとして捉える相手を考えてみましょう。

市場にいる顧客は、自分が利用する目的で購入するのか、家庭内で利用するためか、誰かのために購入するのか目的が異なる場合があります。

誰に向けたものであるかを明確にすることで、事業を展開させる戦略が見えてきます。そして顧客もそのアプローチが自分に向いていれば、情報に早く気付くことができます。

ターゲットをその市場の中で「誰」にするかによって、立案する戦略が異なるため、狙う先を明確にするターゲティングは必要です。

ブランド価値を生み出すため

ターゲットを明確に定めそこを狙い撃ちすることができれば、そこの市場に選ばれる状況が生まれます。

その状況を積み上げることで、商品・サービスの価値が上がり、ブランド力がついてくることになります。

自社商品が顧客から選ばれる存在になり、ブランドとしての価値を生み出すため、狙いを定めたターゲティングは重要です。

戦略の効果を実感するため

ターゲットを広く複数設定した場合、狙った戦略の効果がどのように出たか、情報が分散してしまいます。

ある部分では成功していたとしても、部分的に失敗をしていることもあり得ます。

ターゲットが広ければ戦略の効果を確認する対象も広くなるため、結果的にどこに成功要因・失敗要因・改善点があるか見つけ出すことが困難です。

戦略に対する効果を無駄なく的確に確認するため、ターゲティングは必要不可欠です。

ターゲティングの分析指標の活用

ターゲティングを行うための指標

ターゲティングを行う際には、6Rという指標を使うと有効です。

  1. 十分な市場規模があるか(Realistic Scale)
  2. 市場の成長性があるか(Rate of Growth)
  3. 波及の可能性(Ripple Effect)
  4. 目的の到達可能性(Reach)
  5. 競合状況(Rival)
  6. 反応の測定可能性(Response)

以上のRを頭文字とする指標が6Rといわれるものです。

それぞれ、その内容について触れます。

十分な市場規模があるか(Realistic Scale)

その市場で集客が見込めるか、商売が成立するか、その市場規模がひとつの重要な指標です。

いくらニーズがあったとしても、あまりにも小さな市場では、売り上げも利益も小さなものとなります。

ただし、大きすぎる市場をターゲットにしてしまうと、それだけ競争も激しいことが予想されます。

売上を確保し、利益をあげていくためには、市場の規模がどの程度あるかの確認は重要です。

市場の成長性があるか(Rate of Growth)

市場の成長性は、継続的に長く事業を営んでいくため必要不可欠な要素です。

一時的なブームであれば、ブームの終わりとともに市場が衰退していきます。

成長がのぞめる市場であれば参入する価値がありますが、衰退期にある市場や、参入しても成長性が見込めないのであれば、そこでのビジネスチャンスは小さいといえます。

先々を見越して、市場の成長性を確認する必要があります。

波及可能性(Ripple Effect)

商品やサービスが顧客に届き、それがしっかりと評価されれば、もともとはターゲットにとらえていなかった別のセグメントであっても、そこに波及し、新規顧客獲得に繋がります。

ターゲットの影響力が強ければ強いほどその効果は高く、投資以上の見返りを受けることができます。

ターゲティングを行うときは、発信力・影響力が強い層を優先的にターゲットとすると良いでしょう。

目的への到達可能性(Reach)

ターゲット層にきちんと広告や情報が行き届くか、また、ニーズに応えられるだけの販売ツールがあるかは、マーケティング活動を行ううえで重要なことです。

せっかく良い商品を生み出しても、それを必要としている顧客にアプローチができなかったり、情報が行き届かなければ意味がありません。

また、自社と市場がマッチングしたとしても、ターゲットに届けるための販売経路や場所の確保ができていなければ、チャンスを逃してしまうことになります。

ターゲットとなる消費者に商品やサービスを届けることができるよう、目的への到達可能性は必須の事項です。

競合状況(Rival)

ターゲットとする市場に参入する際は、その市場でのライバルを確認する必要があります。

どのくらいライバルがいるのか、どんな相手なのか、その強さを知ることは競争が優位かどうかの判断基準になります。

理想的なのは、ライバルがいない未開拓の市場で、それはしばしばブルーオーシャンという言葉で表現されます。

他社に差別化を図り自社の強みを活かした勝負ができると、市場を独占することができます。

ターゲティングをする際は、できるだけライバルが少なく自社の強みが生かせる市場を選ぶことが重要です。

反応の測定可能性(Response)

ターゲットの反応を知る事は大変重要です。

市場に入った際、そのターゲットが的確であったか、戦略がうまくいったか、どのくらいの効果があったのかを測定することで、一連のプロセスが成功したか否かを判断することができます。

これは売上高や顧客の数という結果だけでなく、宣伝広告活動に対する反応の測定も含まれます。

広告に対する顧客の反応を計測することができれば、そこから次の戦略に移れたり、ターゲットの見直し、再投資、撤退の判断を行うことができます。

 

その他環境的な要因や、自社の持つ経営資源の強みも指標にするといいでしょう。

自社の商品・サービスをこれらと検証することで、ターゲットがきちんと狙えているかの判断とすることができます。

まとめ

企業が顧客に求められ、市場で成長していくためには、顧客のニーズに沿った商品・サービスの提供が不可欠です。

市場はあまりにも広く深いため、ある程度対象を絞って事業活動を行う必要があります。

自社の事業に合った活動領域をセグメンテーションにより選定し、ターゲティングによりターゲットをしっかりと絞って戦略を立てることで、効率的なマーケティング活動が行えます。

ターゲットとする顧客が価値を感じる商品を提供し、ターゲットが認知しやすい媒体で宣伝広告活動を行えば、顧客獲得・顧客拡大に繋がります。

 

ターゲティングをしっかりと行うことは、セグメンテーションの再確認にもなります。

そして、STP分析のP=ポジショニングを行ううえでも大事なバトンになるので、ターゲットとなる対象をしっかり定めていきましょう。



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Sunny
新しい『笑顔』に出会うため、ブログを開設しました。 主に会計・マーケティング・経営に関する内容を『誰にでも分かりやすく』を心掛けて投稿しています。少しでも参考になれば幸いです。よろしくお願いします。