うまくいかないときはポジティブ転換!リフレーミングの活用について

 

こんにちは、 SunnyBizコンサル です。

 

夏が終わり、秋の風を感じる今日この頃。

気付けば10月に入り、2020年も残すところ3か月となりました。

ここで、あと3か月しかないと発想するか、まだ3か月あると発想するか、皆さんはどちらの感覚でしょうか?

 

ものごとには、2面性があります。

長所と短所があるように、気持ちにおいてもポジティブとネガティブがあり、同じものごとであってもプラスと捉える場合とマイナスと捉える場合、その見方はそれぞれです。

 

今回は、物事を見る視点や受け止め方を転換する方法について、「リフレーミング」という思考の転換ツールを紹介します。

このリフレーミングはマイナスをプラスに捉えるために用いるものであり、ポジティブ転換ツールとして活用されています。

ビジネスドクター
リフレーミングはもともとは心理学用語で、心理療法として考えられていました。現在は日常生活やビジネスの場においても活用できる手法として、広く捉えられています。

ピンチはチャンスという考え方があるように、ピンチから生まれる新たなチャンスもあります。

問題が起こった際、ただのピンチとして捉えるか、別の枠を持ってきてチャンスに転換するかで、次に起こすべき行動が変わります。

それは、企業の戦略においても同じです。

この記事では、リフレーミングという手法について、その概要を掴んだうえで活用のポイントについてまとめます。

日常にある色々なマイナスの要素をプラスの要素に転換する考え方を知り、日常のことだけでなくビジネス面やマーケティングの視点からも広く見ていきます。

気持ちが上がらない時や落ち込んだ時、問題にぶつかった際にうまく活用できると、きっと上を向くきっかけになります。

ポジティブ転換のスイッチとして、リフレーミングを活用してみましょう!!

リフレーミングとは

リフレーミングとは

リフレーミング(reframing)とは、ものの見方や考え方の枠組みを変え、違う枠組みでものごとを捉えることを意味します。

「re」は再び・さらに・新たにという意味があり、「frame」は額縁・枠という意味があります。

この単語の組み合わせから分かるように、リフレーミング(reframing)は、ものごとの枠を新しくしたり、広く捉えたりするイメージです。

ものごとをひとつの見方ではなく、様々な角度から捉え、視野を広く持ち、発想を転換していくことを意味します。

それは、マイナスの要素をプラスに転換する発想法でもあり、ポジティブへの転換ツールとして活用されています。

リフレーミングの例

トーマス・エジソン

私は失敗したことがない。
ただ、1万通りの、うまく行かない方法を見つけただけだ。 byトーマス・エジソン

蓄音機や、白熱電球を作ったとされるトーマス・エジソンは、世の中に革新をもたらした有名な発明家です。

彼は「努力の人」としても有名であり、発明をするまでに重ねた数々の失敗を決して失敗とは捉えず、新たな発見であると言い続けました。

これぞまさに「リフレーミング」。

ひとつのものごとを失敗とみるか、発見や有益な経験と捉えるかにより、受け止める感情は大きく異なります。

また、その事実を失敗というマイナスからのスタートとするか、新たな発見だったというプラスからのスタートとするかで、先の行動にも大きな影響を与えます。

コップ一杯の水

コップに半分注がれた水。

それを見て「水が半分しか入っていない」「水が半分も入っている」どちらの捉え方をするでしょうか。

ネガティブな見方では「半分しか」になり、ポジティブな見方では「半分も」となります。

起きている出来事を事実としてどのように受け止めるか、そこには二つの側面があります。

語尾を変えるだけで、一方は不満になり、一方は満足に変わります。

リフレーミングには、意味や状況を転換する効果があるといえます。

市場を開拓する靴

ビジネスにおけるリフレーミングの例として、「靴の営業」の話があります。

靴の販売員がある地域に営業に行った際、そこの地域の人たちは誰も靴を履いていませんでした。

それを見たとき「ここに靴を履く人は誰もいない…」と見るか「ここは靴を売り出す最適な市場になる」と見るか。

マイナスに捉えると、そこの市場に参入する価値はありません。

しかし、プラスに捉えるとそこには無限の可能性があります。

そこで生活する人々が新たなアイテムとして靴の利便性、必要性に気付いたとき、そこは大きな市場として栄えるでしょう。

 

リフレーミングの活用は、ものごとに対するマイナスの思考をプラスの思考へ転換させるものであり、新たな視点で検討することや、事実の見直し、発見をするきっかけとなります。

リフレーミングの効果

思考の転換

例で挙げたように、リフレーミングにはマイナスをプラスに転換する効果があります。

ものごとをどう捉えるかによって気持ちや行動に与える影響は大きく、事実を常にポジティブへ転換することができれば、悲観的な思考は一掃されます。

結果、何が起こっても前に進めるポジティブ脳が形成され、悩みや問題、弱さを克服するきっかけとなります。

ポジティブな思考の形成は、ものごとに取り組む際のモチベーションを上げることにも大変効果的です。

リフレーミングを意識的に取り入れることで、自分自身の感情をコントロールすることができるようになります。

価値観の変化

リフレーミングは、マイナスをプラスに転換するだけでなく、新たな価値観を生み出す効果もあります。

上の例で触れたとおり、ある地域では靴を履いていないという事実が存在します。

その事実に対してここでは価値が無いと見るか、新たな価値が生まれると見るか、その視点を変えることによってものごとの展望が変わります。

リフレーミングを活用することは、こうあるべきという思い込みや、こうでなければならないという制約を見直すことになり、新たな価値観を生み出すきっかけになるのです。

新たな発見

マイナスの出来事があった時、弱みに気付いた時、ピンチの時、それは本当に悪いことなのでしょうか。

問題が起こったからこそ気付くことや、問題点を別の角度から見ることで、今まで気づかなかった新たな発見につながることがあります。

問題点があるからこそ検討を重ね、改善を行い、より良い方向を目指すようになります。

その問題点の気付きこそが新たな発見を生み出すきっかけです。

マイナスを転換するリフレーミングの手法は、思考だけでなく新たな機会を生み出す効果もあるといえます。

ポジティブ転換の例

マイナスの事柄をどのようにプラスに転換するのか、ネガティブに解釈した場合とポジティブに転換した場合を場面ごとに例示します。

感情面

ネガティブ解釈
  1. 怒りっぽい・すぐ泣く
  2. わがまま
  3. すぐ飽きる
  4. 細かい
  5. 意思が弱い
ポジティブ転換
  1. 感受性が豊か
  2. 自分の意志がしっかりとしている、意見がある
  3. 好奇心が旺盛で興味関心ごとが多い、切り替えが早い
  4. よく気が付く
  5. 柔軟性がある

ビジネス面

ネガティブ解釈
  1. ミスが多い
  2. 仕事で失敗した
  3. 細かい
  4. 作業が遅い
  5. 理屈っぽい
ポジティブ転換
  1. 確認作業が慎重になる
  2. 成長するきっかけになる
  3. 経理や事務に向いている
  4. 丁寧な仕事ができる
  5. 営業やプレゼンに強い

経営戦略・マーケティング面

ネガティブ解釈
  1. 生産力が弱い(生産性が低い)
  2. 商品の形状を維持することが困難
  3. 販売ルートの確保が困難
  4. 粘着性が弱いのり
  5. 市場の成長が見込めない

 

ポジティブ転換
  1. 希少性がある
  2. 形状維持できたものは高価に、不揃いはまとめ売り(割れせんべいなど)
  3. ネット販売でエリアを絞らない
  4. 貼ってはがせるメモに活用(※ポストイット誕生のきっかけ)
  5. アフターサービスに力を入れる

このように、ものごとをネガティブからポジティブに転換することで、マイナスと見えていたことがプラスであることに気付いたり、弱みを強みに転換できたり、新たな発見を生み出すきっかけとなります。

リフレーミングの活用手順

ものごとを明らかにする

リフレーミングのスタートは、事実を確認するところから始めます。

何が問題で、何がマイナスなのか、そのことを明らかにすることが重要です。

自分自身に関わるマイナス要因や弱みを考えるのであれば自己分析を行ってみましょう。

自己分析のやり方 人生の棚卸をしてみませんか?

企業において弱みの転換を考えるのであれば、自社分析の手法であるSWOT分析を行うことをおすすめします。

SWOT分析とは?【やり方徹底解説】分析方法を知って自社を知ろう!

理由を掘り下げる

事実としてものごとを明らかにすることができたら、その考えや行動の理由について「なぜ?」「どうして?」と掘り下げていきます。

これは、問題の根本を探るものであり、「何が問題となっているのか?」「どうしてマイナスなのか?」「どこが困難なのか?」の理由を探す作業です。

状況・意味を転換する

理由を掘り下げることができたら、それを転換します。

転換方法としては2つ。

その状況を転換する方法意味を転換する方法です。

状況を転換する

その事実に対し「こういう状況であればどうだろう?」という場面を変化させたり、環境を変えることをきっかけに転換して考えます。

じっと座って仕事をすることが苦手な人であれば、外回りの営業はどうだろうか?

おしゃべりな人は、情報網として中心においたらどうだろうか?

おしゃべりが得意なら、仕事では接客にどうだろうか?

製造工程で割れや欠けができるのであれば、それを新商品として販売できないだろうか?

など、

場面や状況さえ整えばプラスに転換できるのではないか?という思考で、状況の転換を行います。

意味を転換する

意味の転換は、先入観や負の意識をとっぱらう事により、意味をプラスに捉える方法です。

これを別の言葉に言い換えるとなんと表現できるだろう?

ちがう見方をするとどんな価値があるのだろう?

逆に良いことはないだろうか?

と、意識的に別の側面からとらえ、マイナスをプラスに転換します。

良くないことであっても、何らかの意味があるのでは?という思考で取り掛かることが重要です。

 

このように、マイナスの出来事や悩みをひとつの枠に当てはめるのではなく、別の枠を持ってきて視点を変えて捉えなおすことで、いろいろな場面でリフレーミングを活用することができます。

まとめ

マイナスの要素や弱みは、そのままにしておけばただの「負」の要因です。

しかし、そのものごとを異なる視点でポジティブに転換することができれば、「負」の要因を新たな可能性に変えることができます。

リフレーミングは特別な知識や勉強を必要とすることなく、誰もが取り入れることのできるポジティブ転換ツールです。

日常生活だけでなく、ビジネスやマーケティングにおいても活用し、ものごとを好転させるきっかけになれば幸いです。