こんにちは、 SunnyBizコンサル です。
「決算」という言葉、一度は見聞きしたことがあるでしょうか?
街中で「決算セール開催中!!」というような広告を見た事がある人もいるかと思います。
今回は、会計の基礎として「決算書」について解説していきます。
要点はコチラ。
- 決算書って何だろう?
- どんなことを表しているの?
- どんな役割があるの?
会計に携わる人や、経営者の方であれば、決算書は読めるようになることが理想的です。
まずは、決算書読解の第一歩として、決算書とはどういうものなのか知っていただけると幸いです。

決算書とは?

決算とは
決算書について知る前に、「決算」という言葉の意味をご存知でしょうか?
決算とは、企業が1年間に行った活動をとりまとめることを言います。
企業は永続的に続いて行くことを前提に活動しているため、一定期間で区切って会社の状況等をとりまとめることが求められます。
その一定期間のことを「会計期間」と言い、1年間で区切る場合がほとんどです。
1年間にどのような取引があったのか?どんなお金の動きがあったのか?を集計し、とりまとめる作業を決算と言います。
上場企業の中には、1年間を半期ごとに区切って決算を行う「中間決算」や、3カ月ごとに決算を行う「四半期決算」が義務付けられているところもあります。

決算書を知ろう
決算でとりまとめた情報を結果として表したものを「決算報告書」略して「決算書」と言います。
厳密にいうとイコールではないものの、決算書を財務諸表と呼ぶ場合もあります。
決算書は1枚ではなく、いくつかある書類をとりまとめた一式のことを意味します。
- 貸借対照表
- 損益計算書
- キャッシュフロー計算書
- 株主資本等変動計算書
- 個別注記表 など
これらの表によって、企業の1年間の活動やお金の動きを知ることができます。
決算書は、法人・個人関わらず、その作成が義務付けられています。

決算書のメインとなる3つの表
上で挙げた決算書のうち、メインとして活用される3つの表があります。
「財務三表(ざいむさんぴょう)」と呼ばれる以下の3つです。
- 貸借対照表
- 損益計算書
- キャッシュフロー計算書
この財務三表を見れば、企業がどのようにお金を集め、何に使い、どれだけ儲けた(損した)のかが分かります。
実際のお金の出入りも確認することができるため、資金繰りを知ることもできます。
決算書には細かい内容が色々と載っていますが、この財務三表さえしっかりと読み解くことができれば、その企業の状態はほぼ見えてきます。
財務三表は、企業のありのままの状態を知るツールとしてとても重要なものです。

貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)

貸借対照表とは
貸借対照表とは、決算書を作成した時点での企業の財産と、債務、返還する必要のない元手資金について表した残高の集計表です。
貸借対照表は「一定時点の会社の財政状態をあらわす」と説明されます。
一定時点というのが決算日のことであり、例えば4月1日~3月31日の1年間が会計期間であれば、3月31日時点での残高を表しています。
貸借対照表では、財産のことを「資産」、債務のことを「負債」、返還する必要のない元手資金のことを「純資産」と言います。
貸借対照表の項目
貸借対照表では、資産と負債、純資産を、それぞれ資産の部、負債の部、純資産の部と3つに分けて表示します。
資産の部
資産の部には、会社が持つ現金や商品、土地、建物などが表示されます。
資産の部には、企業が集めた資金をどのように使っているか?という使いみちが表されています。
この資金の使いみちは、利益を生み出すための運用であるため、資産の部は「資金の運用形態」という言い方をします。
負債の部
負債の部には、銀行から借りたお金や、仕入先などにこれから払うべき代金などが表示されます。
企業が返済の義務を負うものや、将来にわたって支払うべきものが載ってきます。
純資産の部
純資産の部に載ってくるものは返還する必要のない資金であり、自己資金や株主からの出資金、その他資産にも負債にも当てはまらないものが表示されています。

貸借対照表の役割
貸借対照表は、決算日時点での会社の財産、債務などを表すため、会社の健康状態を表しているといえます。
若々しく見える人であっても、健康診断の結果が悪い…ということがあるように、どれだけ大きな建て構えで見栄えの良い会社であっても、見かけ通りとは限りません。
見かけでは分からない企業の中身を表すものとして、貸借対照表は大きな役割を持っています。
損益計算書(そんえきけいさんしょ)

損益計算書とは
損益計算書とは、企業が1年間活動した結果、どれだけ儲けたか、もしくはどれだけ損をしたかを表す表です。
一定期間の成果を表すものであり、しばしば「企業の成績表」と言われます。
損益計算書は、モノやサービスを売ったことによる売上などの「収益」から、企業が負担した経費である「費用」を差し引いて、儲けとなる「利益」を計算します。
利益が出ていれば、成績が良い!と見ることができ、損失が出ていれば、成績が悪い…と見ることができます。
貸借対照表のように残高を引き継ぐものではないため、単純に1年間の活動の成果を把握することが可能です。
損益計算書の役割
損益計算書は、その期間の活動実績を表すものです。
損益計算書の中では、本業による活動なのか、本業以外による活動なのかを分けて記載します。
そのため、どのような活動により収入を得たか、またどのような活動を要因に経費がかかったのかを把握することができます。
最終的にその期間のトータル利益(または損失)を計算することができるため、損益計算書は業績を把握するために必須のものであるといえます。
キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書とは
キャッシュフロー計算書は、一定期間のお金の流れを表すものです。
企業活動の結果、どれだけお金が入ってきたか?どれだけお金が出て行ったか?をとりまとめています。
企業の活動実態は、貸借対照表や損益計算書である程度みえてくるものの、取引の中には、実際の現金の動きと取引上の動きが一致しない場合があります。
例えば、売上として成立したけれど現金が後から入金されるような取引や、実際にはお金を支払っていないけれど、経費として認められるような取引です。
キャッシュフロー計算書は、このようなズレを把握し、現金の流れを表すためのものです。
キャッシュフロー計算書の役割
現金は、よく血液に例えられます。
出血が止められなかったり、血液が足りなくなれば命にかかわるように、どんな会社であれ、現金がゼロになりお金の流れが止まってしまうと倒産の危機となります。
多くの商品が売れ、業績が好調であっても、その売上代金が先々にしか回収できず、手許にお金がない!資金が回らない!ということが起こると、黒字なのに倒産…という最悪の状況に陥ってしまいます。
貸借対照表や損益計算書だけでは企業の実情を網羅できないため、これらが教えてくれないお金の動きを補うものとして、キャッシュフロー計算書は重要な役割を果たしています。
キャッシュフロー計算書は、上場企業のみ作成が義務付けられています。
まとめ
外から見ると大きく儲かっているように見える企業であっても、しっかりと内部を見ないとその実態を把握することはできません。
売上が何百億とあっても、それ以上にコストがかかりお金が回らなければ、企業としては大きなリスクを抱えていることになります。
決算書は、企業活動の頑張りと、健康状態を示す重要なものです。
会計の基礎として、決算書がどういうものであるのかを知っていただけると幸いです。